3.「格安航空会社」のデメリット

では、デメリットを並べてみましょう。
基本的に安さを追求するために生じているデメリットが多いです。

機内でのサービスが全く無い
最も分かりやすいデメリットです。
基本的に機内で無料で受けられるサービスは一切ありません。


ただ、ヨーロッパ内なんて飛んでもせいぜい片道2〜3時間ですので、自分で飲み物や軽食を持ち込んでおけばまず問題ないと思います。初めは不安かもしれませんが、1回でも乗ると慣れます。

また、軽食、飲み物の販売もあります。
「ここでボッタくってくるんじゃないのか?」と我々庶民は警戒してしまうのですが、意外と値段は普通です。例えば飲み物は1本200円前後、サンドイッチ・軽食が500円〜1000円程度と新幹線の車内販売とさほど変わりません。なので、別に「ここでお金を払ってたまるか」なんて無駄に意固地にならず、必要なら気軽に購入すればいいかと思います。

空港が町から遠いことが多い
これが、格安航空会社最大のデメリットです。
格安航空会社の中には、コスト削減策の一つとして「町のメインの空港ではなく、郊外のマイナーな空港を使う」という裏技を使うところも多いです。代表的なところでは、ライアンエアは大部分の路線で「郊外のマイナーな空港」を使っており、かつては「詐欺だ」と他の航空会社から訴えられたこともありました。

まー我々旅行者にとっては「安けりゃ、ちょっと遠くてもいいよ」という感じなのですが、実際シャレにならないくらい町から遠い場合が多いのです。例えば、ライアンエアで「フランクフルト」と謳われている空港は、実はフランクフルトから数百キロ離れていたりします

ライアンエアの言う「フランクフルト空港」


フランクフルト市から普通の「フランクフルト・アム・マイン空港」でも結構遠いのに、ライアンエアの「フランクフルト空港」はその2倍以上の距離があります。

こんなところを「フランクフルト」と言い張るライアンエアの度胸には感心します。

で、これによって発生するデメリットとしては、

・空港〜町に移動する時間が無駄
・専用の直行バスしか交通手段が無い場合が多く、このバスに乗り遅れると大変な目に遭う
・通常、こういった郊外の空港(Secondary Airport)から最寄の町に移動するために、往復20ユーロ程度かかる

といったものがあります。
特に最後の点が重要で、格安航空会社を利用する際には、必ずどこの空港を利用するのか確認し、その空港への(からの)移動手段の料金も考慮に入れておく必要があります。
(この「郊外の空港」については、別コーナー"Secondary Airport"で詳しく説明しています)

ライアンエアの発着する「デュッセルドルフ」空港(デュッセルドルフから80km北方のドドドド田舎にある空港)




表示されている料金はウソ
と言い切ってしまうと語弊がありますが、多くの場合、最初に表示される「1ユーロ」とか「0.01ポンド」とかいう料金は、あくまでチケット単体の料金になります。最終的には、それに空港税やら燃料サーチャージやら、果てには「チェックインカウンター手数料」やら「クレジットカード利用手数料」なんて聞きなれない料金も加算され、かなりの金額になってしまいます。

正確な支払総額が知りたければ、支払手続きの直前の画面まで進んでみましょう。(全てクレジットカード支払なので、カード番号を入れる前まではいくら試しても料金は発生しません)

ただ、個人的には最初の表示金額がどうであろうが、最終的な金額でも大手の航空会社よりは遥かに安い場合が多いので、別にどっちでもいい気がします。が、ライアンエアに乗っておきながら「意外と高くついた」ってクレームを言ってる人がいますので、一応「デメリット」に載せておきます。

なお、さすがに見かねたEU委員会から2008年に「運賃の総額を表示するように」との勧告が行われたため、2009年度からは徐々に是正されていく見込みです。

発着が遅れやすい
格安航空会社は、どこも数少ない手持ちの機材(飛行機)をフル活用させて運行してますので、運行スケジュールは常にギリギリです。よって、一度何らかの事情で発着が遅れてしまうと、その後の便が玉突き状にどんどん遅れて行きます。
また、ひどい時には機材のやりくりがつかず突然フライトがキャンセルされたりします。そういう時のサポートはびっくりするほど手厚くないので、利用する際には遅延/欠航の際に自分で何とかする覚悟も決めておきましょう。

あと、上記の理由から、別のフライトへの短時間での乗り継ぎや日本への帰国便への同日乗り継ぎはお勧めできません。

基本的に払い戻し/変更不可
チケットは、基本的に払い戻し、変更不可と考えてください。
一部の航空会社は変更も可能ですが、かなりの額の変更手数料がかかってしまいます。また、払い戻しができる格安航空会社はほとんどありません。

格安航空会社のチケットは「早めに買った方が安い」とはいうものの、予定が変われば逆に丸々損になってしまいますので、購入前には慎重に慎重を重ねて、自分の予定をしっかり検討するようにしましょう。

ちなみに、航空会社によっては「Cancellation Insurance(キャンセル保険)」への加入を勧めるメッセージも出てきますが、よく約款を見てみると「病気等止むを得ない事情の時のみ払い戻しを受け付けます」って書いてあることが多く、大抵の場合自己都合ではキャンセルできません。騙されないよう気をつけてください。

荷物の重量制限が厳しい
格安航空会社でも、15kgまたは20kgまでの荷物を無料で預けることが出来ますが、普通の航空会社と異なり、制限を超えた分についてはガチで超過料金を請求されます。また、ライアンエアなど、そもそも無料では1つも運んでくれない会社もあります。
日本から重い荷物を持って来ている人などは、要注意です。




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